'50s/'60s & Rhythm'n'Blooze
&
Black Rock'n'Roll pt.2
= j - w =

jenny

u.s.a.

p/s
ETTA JAMES / R&B Dynamite
(W.) Germany, Ace LP (CH-210) © 1987
33333333
Side One
1. W-O-M-A-N (4)
2. Number One (5)
3. I'm a Fool (5)
4. Strange Things Happening
5. Hey Henry (2,10)
6. I Hope You're Satisfied (9)
7. Good Rockin' Daddy (3,11,12)
8. Sunshine of Love (8)
9. That's All (4)
10. How Big a Fool (11)
Side Two
1. Market Place (7)
2. Tough Lover (6)
3. Do Something Crazy (12)
4. Be My Lovey Dovey
5. Nobody Loves You (like me)
6. Hickory Dickory Dock
7. You Know What I Mean
8. Roll with Me Henry
(aka the wallflower) (1,10)*
9. Baby, Baby, Every Night (8)
10. We're in Love

> Info.

[45]
(1) Modern (947), 1955, + "Hold me, squeeze"
(2) Modern (957), 1955, + "Be mine"
(3) Modern (962), 1955, + "Crazy feeling"
(4) Modern (972), 1955
(5) Modern (984), 1956
(6) Modern (998), 1956, + "What fools me mortals be"
(7) Modern (1016), 1957, + "The pick-up"
(8) Kent (304), 1958
(9) Kent (318), 1959, + "If it ain't one thing"
(10) Kent (345), 1960
(11) Kent (352), 1960
(12) Kent (370), 1960

* Originally issued on Modern as 'The Wallflower (Roll with me Henry)' under the name 'Etta James & the Peaches', shortly later a little retitled on Modern 2nd issue as 'The Wallflower (Dance with Me Henry)'. Furthermore later retitled again on Kent reissue as 'Dance with Me Henry', then flipside was replaced to 'Hey Henry'.

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ミ、ミ、ミス・ピーチェズの異名を持つエタ・ジェイムスこと Jamesetta Hawkins、彼女も他の多くの黒人シンガー同様子供の頃はゴスペルシンガーとして馴らし、15歳の頃に組んだ Creolettes なる R&B コーラス・グループを足掛かりにパフォーマンスを続ける中、1955年に Johnny Otis の目に留まり、バックに Peaches というガールズ・コーラス・グループを従え、Richard Berry をデュエット相手に迎えてモダン・レーベルから Etta James & the Peaches 名義でリリースされた Hank Ballard & the Midnighters "Work with me Annie" へのアンサーソング "Roll with me Henry" でデビュー。その後 Argo, Cadet, Chess と渡り歩き年齢を重ね、スタイルを変えながら1970年代後半までコンスタントにトップ R&B シンガーとしての道を歩んだ女性シンガーで、時代時代のスタイルで結構評価の割れる人だけど、個人的には、この編集盤に詰まってる若さゆえの暴走気味なデビュー当時のイケイケ・ダイナマイト・リズム&ブルーズ時代が一番好きです。

それにしても、きりりとした眉がとてもチャーミングで見れば見るほど超個性的なお顔立ちです。何でも14歳で既に身ごもってしまったというほど、音楽面と並行するように色んな面でかなり早熟だったようですが、何よりお相手の殿方連中の勇気に乾杯。

August 2004 monaural66

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UK Kent issue

The IKETTES / Fine Fine Fine
USA, Modern LP (MM 102/MST 102) © 12/1965, 'Soul Hits'
UK, Kent/Ace LP (KENT-063) © 1987
33333333
Side One
1. (He's Gonna Be)
Fine, Fine, Fine (3)
2. Can't Sit Down
3. Don't Feel Sorry for Me (4)
4. Camel Walk (1)
5. Blue on Blue
6. I'm So Thankful (4)
7. You're Trying to
Make Me Lose My Mind
8. Sally Go 'Round the Roses (5)
Side Two
1. Peaches 'n' Cream (2)
2. (Never More Will I Be)
Lonely for You (5)
3. Not That I Recall
4. Your Love Is Me
5. The Biggest Players (2)
6. How Come (3)
7. Nobody Loves Me (1)
8. It's Been So Long

> Info.

[45]
(1) Modern (45x-1003), 1965
(2) Modern (45x-1005), 1965
// Can, Barry (B 3331 X)
// UK, Stateside (SS 407), 1965
(3) Modern (45x-1008), 1965
// UK, Stateside (SS 434), 1965
(4) Modern (45x-1011), 1965
(5) Modern (45xM 1015), 1965

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ご存知アイク&ティナのバッキング・コーラス・グループ、ジ・アイケッツの編集盤です。

この編集盤は、アイク&ティナ〜ティナ・ターナーとともにそこそこキャリアを持つ彼女らが本家アイク&ティナを凌ぐ最もサクセスフルな第二期のジ・アイケッツによりミッド・シックスティーズ時代モダーン・レーベルへ残した音源集となっており、1970年代にダーティでパワフルなお下品ファンクでブイブイいわせてたマイルス・デイヴィスの元奥方ベティ・デイヴィス嬢が影響受けたグループだけあって、聴き応え充分。

ジ・アイケッツの活動やメンバーについてもう少々。まず、アイク&ティナ・ターナー始動当初のバッキング・コーラス・グループ Artnettes に代わり新たに召集されたグループで、ジ・アイケッツ単独名義でのレコーディングは、1962年から1966年が主、その後単発で数枚と変名 Mirettes 名義で数枚残。

それから、かなり流動的な時代ごとのメンバー構成はよくわからないんだけど、ローリング・ストーンズからピンク・フロイドなどのレコーディング参加で知られる Venetta Fields、スワンプロック系アーチスト間で重宝されたり、ミックとの関係が取り沙汰されストーンズの "ブラウン・シュガー" のモデルとしても有名な Claudia Lennear、アンドリュー・オールダムのプロデュースでイミディエイトからもアルバムリリースしてる、モッズファンにはお馴染み P.P. Arnold、そして、デラニー&ボニーでお馴染み、黒くパワフルなヴォイスの白人女性 Bonnie Bramlett など、ざっと書き出してみてもかなり煌びやかで豪華な女性シンガー達が出入りしてたんですね。

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SCREAMIN' JAY HAWKINS / Frenzy
UK, Edsel LP (ED-104) © 1982
3333333333
Side One
1. I Put a Spell on You ('56)
2. Little Demon ('56)
3. Alligator Wine ('58)
4. Frenzy ('57)
5. I Love Paris ('58)
6. Hong Kong ('58)
7. Person to Person ('57)
Side Two
1. There's Something Wrong with You ('58)
2. Orange Coloured Sky ('58)
3. Temptation ('58)
4. Yellow Coat ('58)
5. If You Are But a Dream ('58)
6. You Made Me Love You ('57)
7. Deep Purple ('58)

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若い頃はビッグバンドジャズやオペラに興味を持ってたようだけど、1950年代初期に音楽活動を始めるまではプロボクサーだったそうです。でも、あの大袈裟な歌唱法やコスチュームから曲の展開に至るまでオペラに通ずるものがあるし、豪快な歌のパンチ力はボクサー時代に培ったものがストレートに生かされてるんじゃないでしょうか(笑)。彼の音楽キャリアは1953年の Tiny Grimes のバンドでフィーチャーされてから、翌年一部 Mickey Baker のサポートを得ながら Jalacy Hawkins 名義を皮切りにソロ活動に入り、翌年1955年の Jay Hawkins 名義を経て、1956年から Screamin' Jay Hawkins として固まったようですが、もうキャリアスタート時点から、バックがビッグバンド形態って事以外、彼の持ち味の豪快さはなんら変わってません。

しかしこのジャケ、見れば見るほど今にもおふざけ交じりの豪快な歌声が聞こえてきそうないい表情してますよね。スクリーミング・ジェイ・ホーキンスといえば、悪乗りワルツ "I put a spell on you" を思い浮かべますが、当時、度を過ぎた彼のカニバリスティック(人食い人種的)なパフォーマンスや歌声が良識派に受け入れらず、ほとんどのラジオステーションで放送禁止を食らったにもかかわらず、刺激を求める若者に支持され彼唯一のミリオンセラーとなった曰くつきの名曲です。元々ワイルドな歌いっ振りだったんだけど、1955年の Grand レーベルへ吹き込んだもののお蔵入りになってしまったソフトタッチの "I put a spell on you" を、Okeh のプロデューサー Arnold Maxim の意向で、彼のキャラを生かしたよりワイルドなアレンジでの再録を敢行、その際アーノルドは、ジェイ・ホーキンスはじめレコーディングスタッフに酒飲ませながらベロンベロン状態の中で吹き込ませたとの事、これはジェイ・ホーキンスが後のインタビューで語ってた事だけど、真偽の程はさて置き、彼がオカルト・スクリーミング・ロックンローラーとしてスタイルが定着したのは間違いなくこのオーケー時代、更に、彼のトレードマークともいえるサテン地の黒マント、ドクロ杖、棺を用いたギミック・ショーの定着には、ディスク・ジョッキーであるとともにロックンロール・コンサートのプロモーターでもあった Alan Freed(アラン・フリード)の後押しも見逃せない。

リーバー/ストーラー作ノヴェルティの極致のサンプル・ナンバー "Alligator wine" や、 "Little demon", "Frenzy" などのロカスタイルの曲、更に "You made me love you" などしっとりブルージー・バラッド系、そしてぶっ壊れオリエンタル・ワルツ "Hong Kong" など、ほとんどの曲に共通してるのは、歌詞に起こせない遊びというか一般的には添え物的なアクセント部分にこそ彼一流のエンターテイメント魂が宿ってるというか命掛けてますって感じだけど、曲のブレイク部分って聴き手も一呼吸置くところなのに、彼の曲ってとことん休ませてくれませんよね、そこがまた彼の彼たるゆえんなんですけど。こんなアウトレージなスタイルのみがクローズアップされる一方、実際の歌唱力って凄いもん持ってるんですよね、例えば、レコード化されてないけど、彼が歌った "Mama he treats your daughter mean" を聴いてたこの曲のオリジナルシンガー、あのルース・ブラウン本人をも唸らせたという逸話もあるほど。このアルバムに収録されてる中でなんとかプレーンでナチュラルに歌ってるコール・ポーター作 "I love Paris" 辺りを聴いてもベーシック部分の力量がいかほどのものかうかがい知れます。

こんな彼も、実際グローバル・レンジでブレイクしたのは1960年代のヨーロッパツアーを通してスクリーミン・ロード・サッチというクローンが生まれるほどイギリスでの支持を受けてから。また、1969年の棺ジャケが印象的なアルバム 'What That Is!' LP の国内ライナーには、ここからカットされた本国アメリカでの放送禁止曲 "Constipation blues(ぺんぴのぶるーす)" は、世界に先駆けて日本でいち早く火がついてヒットした曲だなんて嬉しい記述も。1980年代にはアメリカン・ネオ・ガレージ・グループ ザ・ファズトーンズに担ぎ出されて再びガレージ界経由で注目されたり、1980年代終わり頃には、映画 'Stranger Than Paradise' で "プット・スペル・オン・ユー " が挿入されたり、同ジム・ジャームッシュ作品 'Mystery Train' での俳優体験、お宿の妖しい主人役としてもいい味出してました。時代時代で形は違えど世界中から色んな形で愛されてた風変わりで面白い存在だったんですよね。その後、晩年はフランスへ移住して一生を終えたようですが、彼のキャラクター同様紆余曲折ありながらも面白い人生を歩んだようです。

August 2004 monaural66

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LITTLE RICHARD / Here's Little Richard
USA, Specialty LP (SP-2100) © 1957
Japan, Vivid LP (VS-2004) © 1979
3333333333
Side One
1. Tutti Frutti ('55)
2. True, Fine Mama
3. Can't Believe You Wanna Leave
4. Ready Teddy ('56)
5. Baby
6. Slippin' and Slidin' ('56)
Side Two
1. Long Tall Sally ('56)
2. Miss Ann ('57)
3. Oh Why?
4. Rip It Up ('56)
5. Jenny Jenny ('57)
6. She's Got It ('56)

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ご存知、1957年にリリースされた、リトル・リチャードの歴史を飾るデビューアルバムです。

1951年にレコーディングキャリアをスタートさせたキング・オブ・ロックンロール リトル・リチャードこと Richard Wayne Penniman という大物も、デビュー、即ブレイクって訳ではなく、RCA Victor ~ Peacock レーベルでのジャンプ/ブギ系ブルーズ/R&B時代があった訳で、"Taxi blues", "Ain't nothing happening", "Get rich quick" など、ロックンロールの片鱗が感じられる楽曲はあれど、スペシャルティ時代の彼と比較すると老けた楽曲が並んでいる為、やはり初めてこの頃1950年代初期の音に接した時は少々驚きました。その後、彼のサウンドを気に入った Lloyd Price が自身所属のスペシャルティにテープを持ち込みリトル・リチャード黄金のロックンロール時代到来と相成る訳です。

♪ウォッ・ボッパ・ルーボッパ・ロッバン・ブー トゥリフリ〜 聖歌隊でゴスペルを歌い始めた14歳から数えて6年後の20歳で打ち立てた金字塔、1955年スペシャルティへの初吹き込みにして初ミリオンセラーとなった "トゥッティ・フルッティ" で幕を開けるのが、この彼のデビューアルバムであると同時にスペシャルティ・レーベルにとってもアルバムとしては初リリースというダブル、トリプルでおめでた尽くし。しかし、前ピーコック・レーベルの吹込みから開いても1年程度、前レーベルへ残した音からの明らかな変貌振りを考えると夜も眠れません、何があったんだ?とにかく、改めて紹介するまでもない "レディ・テディ", "スリッピン・エン・スライディン", "ロング・トール・サリー", "ジェニ・ジェニ", "シーズ・ガット・イット" など、ワイルドな名曲ロックンロール群が当たり前のように並んでますが、冷静に聴きながらよ〜く考えてみると、改めて凄い人だなと。"トゥルー・ファイン・ママ", "キャント・ビリーヴ・ユー" など半数弱収録されたダイナミックなブルーズ/リズム&ブルーズ群も聞き応え満点。

そんなドル箱スター街道まっしぐらな彼でしたが、1957年オーストラリアツアーへ向かう飛行機の事故が大事に至らず命拾いをすると同時に神を感じてしまい、ソールドアウト続出のツアー中に突如の引退表明、その後スペシャルティからリリースされたシングル、アルバムは、それまで録りためてあった音源で、ある時期まで繋ぎ通してたそうです。当時、彼のこの事件やバディ・ホリーと同乗者リッチー・ヴァレンス、ビックボッパーらの飛行機死亡事故を始め、サム・クックの交通事故死、同乗していたジーン・ヴィンセントは一命を取り留めるもエディ・コクランの交通事故死などで一気にロックンロールシーンが衰退してしまった時期でもあり、彼も自らの事故を機に神以外にも色々考える所があったんでしょうね、チャック・ベリーもほどんど不当逮捕状態で監獄入りしちゃったし。その後ロックンロールはもう歌わないと、布教活動の一環としてゴスペルのレコードを数枚リリースしてますが・・・。なんて、ちょっとサド・ストーリー仕立てにしてみましたが、彼の血がロックンロールを忘れられるはずはなく1962年のヨーロッパツアーでロックロール解禁、めでたしめでたし。

その後、1964年にドン・アンド・デューイのベース&ギター・サポートを受け古巣スペシャルティへ "Bama lama bama loo" などを吹き込んでから Vee-Jay と契約後1964年に再び一部ドン・アンド・デューイのベース&ギター・サポートを受けアルバム 'Little Richard is back' LP で大々的にカムバックをアピール、'Goin' home tomorrow' でのヴァイオリンもおそらくドン'シュガーケイン'ハリスだと思います。詳細はいずれという事で、大半がスペシャルティ時代のセルフカヴァーだけど、スペシャルティ時代と表現力を含め厚みを増したヴィージェイ時代の音を聴き比べてみるのも面白いです。

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RAY SHARPE
USA, Jumble LP (JLP-331959) © 1970s
33333333
Side One
1. Linda Lou (2,3,4)
2. Kewpie Doll (7)
3. That's the Way I Feel (1)†
4. Long John (5)
5. Help Me (8)
6. Mary Jane (9)
7. Have Love Will Travel (10)*
Side Two
1. T.A. Blues (5)
2. Give'n up (7)
3. Oh My Baby's Gone (1)†
4. Red Sail in the Sunset (2,6)
5. Monkey's Uncle (3)
6. I Can't Take It (9)
7. Look at Me (10)*

> Info.

[45]
(1) Hamilton (50002), 1958 // Dot (15788), 1958 // Dot (15974), 1958
(2) Jamie (1128), 1959
(3) Jamie (1128), 1959
(4) Gregmark (14), 11/1962, "(The new) Linda lou / The bus song"
(5) Jamie (1138), 1959
(6) Jamie (1155), 1960, + "For you my love"
(7) Jamie (1164), 1960
(8) Atco (45-6402), 1966
(9) Atco (45-6437), 1966
(10) Jamie (1108), 1958

* performed by the Sharps, no relation with R. Sharpe
† as by Ray Sharpe and the Blues Whalers
‡ as by Ray Sharpe with the King Curtis Orchestra

> Profile

From : Fort Worth, Texas, USA

> Ref.

・'info.' about the Sharps : (www.soulfulkindamusic.net/)

> Review

1959年の大ヒット曲で、Johnny Kid など数多くカヴァーされた "Linda Lou" のオリジネーターとして知られるレイ・シャープの編集盤です。

何て言うか、基本はリズム・アンド・ブルーズなんだけど、黒人でありながら "Linda Lou" のヒットで、カントリー&ウェスタンのアーチストなどにも多大な盈虚を与え、他の曲を見ても、もろブラックという感触は薄くジャンル分けを拒否するかの如く、ブルーズ、R&B、カントリー、ヒルビリー、ポップスなどがクロスオーバーしたサウンド満載で、この時代にしてはちょっと特異なアーチストだったようです。また、なんとなく Them "Gloria" の影がちらつく "Help me" では Jimi Hendrix がギターを弾いてる模様。

尚、両サイドのラストに挿入されてる Sharps は、主人公レイ・シャープとレーベルメイトではあれど全く無関係のグループで、気を利かせたつもりの編者の大きな勘違いだと思われます。このザ・シャープスは、1954年から他のアーチストのバッキングワークもこなしながら活動を続け、"Papa oom mow mow" でおなじみの Rivingtons の母体となったグループです。また、Richard Berry の "Have love will travel" のカヴァーと思しき彼らのヴァージョンではデュアン・エディーがギターを弾いてる模様。しかし、この曲、彼らはオリジナルとされるリチャード・ベリーより一足先の1958年の録音の上、かなりアレンジが加えられててカヴァーかどうかも判断つきにくいんだけど、どなたかこの辺に詳しい方おられますか?因みにコンポーザーにはリー・ヘイジルウッドの名前が・・・ 頭痛い。また、デュアン・エディーが出てきたので、書いておきますが、レイ・シャープのヒット曲 "リンダ・ルー" でもデュアン・エディーがギターを弾いてるようです。

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IKE TURNER & His KINGS of RHYTHM / Volume 1
UK, Ace LP (CH-22) © 1980
33333333
Side One
1. Trouble Heartaches - (Ike Turner with Ben Burton's Orch., 1952)
2. You're Driving Me Insane - (Ike Turner with Ben Burton's Orch., 1952)
3. Whole Heap of Mama - (Brother Bell, 1952)
4. If You Feel Froggish - (Brother Bell, 1952)
5. Gypsy Blues - (Matt Cockrell, 1954)
6. The Dream - (The Fox, 1954)
7. Early Times - (Dennis Binder, 1954)
Side Two
1. I Miss You So - (Dennis Binder, 1954)
2. You've Got Me Way Down Here - (Dennis Binder, prev. unrel. 'til 1980)
3. I Ain't Drunk - (Lonnie 'The Cat', 1954)
4. The Road I Travel - (Lonnie 'The Cat', 1954)
5. Goodbye Baby (Going on down the line)
- (unknown vocalist + King of Rhythm, prev. unrel. 'til 1980)
6. Suffocate - (Johnny Wright, 1955)
7. The World Is Yours - (Johnny Wright, 1955)

> Info.

> Profile

> Ref.

> Review

ギタリストやピアニストという肩書きを持つミュージシャンであると同時に、他にもチェス・レーベルとのハウリン・ウルフ争奪戦を演じたタレントスカウトマンや、スタジオセッションマン、プロデューサーなど多くの肩書きを持ち、戦後デルタ・ブルーズ周辺からソウルに至るまでのブラック・ミュージック・シーンを表舞台また裏舞台から支えてきた稀有な存在、アイク・ターナーが彼のリーダーグループ、キング・オブ・リズムとともに1952年から56年に関わったレコーディングのほんの一部をまとめた編集盤第一弾です。しかし、この流れで彼のキャリア第一弾というからには、彼のレコーディングキャリア第一弾 "Rocket 88" は収録されて然るべきだと思うんですけどね。

内容は、所謂ジャンプ系のブルーズ/R&Bサウンドだけど、あまり積極的になれない苦手分野の為ジャンルの全体像などよく把握できてないので、音的にどうこう書く事は出来ませんが、 "I ain't drunk" は、後に Leiber-Stoller がアレンジ加えて "Riot in cell block #9" として Coasters の前身 Robins に提供した元ネタ曲。また、"Goodbye baby" は、一般的に Junior Parker の "Feelin' good" を経由した Magic Sam の "I feel so good (I wanna boogie)" として有名なギター・ブギの元ネタ曲、大元はライトニン・ホプキンスかな? "Suffocate" は、Bo Diddley "I'm a man" スタイルのブルーズだけど、このスタイル、ボ先生が先か、はたまたこちらが元ネタか。って感じの聴き方で楽しんでます。とにかく、アイクさんはバックの演奏に徹し歌い手さんが色々なのでアルバム全体の評価云々は難しいんだけど、少なくとも、それぞれいい仕事してるし、また後のシーンに与えた影響は相当なものだった事も容易に想像できます。ピアノもいいけどいいギター弾くからなあ、天から二物も三物も与えられた一人です。

因みに、彼が関わったアーチストの一部は、Howlin' Wolf, B.B. King, Otis Rush, Richard Berry, Elmore James, Buddy Guy, Fontella Bass、それから Tina Turner, Ikettes も一応付け加えておきますが、とにかくそうそうたる顔ぶれ、凄い人です。

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LARRY WILLIAMS / Here's Larry Williams
USA, Specialty LP (SP-2109) © 1959
Japan, Vivid LP (VS-2006) © 1979
33333333
Side One
1. Short Fat Fannie (1)
2. Make a Little Love*
3. Hootchy-Koo (4)
4. Lawdy Miss Clawdy*
5. Peaches and Cream (5)
6. Give Me Love (6)
Side Two
1. Bony Moronie (2)
2. Little School Girl (7)
3. Dizzy, Miss Lizzy (3)
4. Teardrops (6)
5. You Bug Me, Baby (2)
6. Ting a Ling (7)

> Info.

[45]
(1) Specialty (608), 1957, + "High school dance"
(2) Specialty (615), 1957
(3) Specialty (262), 03/1958, + "Slow down"
(4) Specialty (634), 1958, + "The dummy"
(5) Specialty (647), 1958, + "I was a fool"
(6) Specialty (677), 1959
(7) Specialty (682), 1959

* recorded in 1959 for this album.

> Profile

> Ref.

> Review

リトル・リチャードのロックンロールを受け継ぐ形で同郷ニューオーリンズから出てきたロックンロール・パイオニアの一人、ラリー・ウィリアムスのデビューアルバムにして歴史的名盤です。

チャックベリー、リトルリチャード以外のピン・ロックンローラーとしては、ビートルズ/ストーンズルーツとして比較的早く聴いたうちの一人だけど、前記2人と比較すると、より泥臭いスワンプ色濃厚な R&B 寄りのサウンドで、未熟な高校生の耳には早す過ぎました。結局彼の魅力を認識したのは、後に入手した未発表音源集でのラフな "Bad boy" に殴打されてからで、その時改めてこのファーストに針を落としてみたら全然印象が違ってたという、個人的によくある事なんだけど、要するに聴く耳がないって事かも(苦笑)。

冒頭ではリトルリチャード直系のロックンローラーなんて書き方したけど、正確には同レーベルの先輩で彼もかなり慕ってたロイド・プライスの後継と言った方がしっくりくるかな。音から勝手に判断するとロイド・プライスとリトル・リチャードの隙間を埋めるリズム・アンド・ブルーズ寄りのロッカーって感じですね。とにかく、ビートルズ経由で知った人なんでまずその辺から、といってもこのアルバムには "Dizzy miss Lizzy" しか収録されておらず、その他彼らが公式にカヴァーした "Bad boy", "Slow down" を含めたラリーのロックンロール系オリジナルヴァージョンに共通して言える事だけど、随分テンポがゆったりしててロックンロールというより泥臭いロッキン R&B といった捉え方がしっくりくるのではないかと、個人的見解ですけど。それから、ジョン・レノンがソロで "Bony Moronie" や、このアルバムには未収録だけど "Just because" も取り上げてて、ビートルズでのカヴァーも全てジョンがリード取ってるし好きだったんですね。他、リトル・リチャードもカヴァーした口笛イントロが印象的な "Short fat Fannie" や女性コーラス隊を率いての "Ting a ling" なんかのノヴェルティ・ロッキン R&B では本領発揮って感じです。また、決して技巧派ではないのでタイプ的にノヴェルティ系のロッキンなナンバーが似合ってるんだけど、切々と歌い上げるスロー・バラッド "Teardrops" とか、技巧派ロイド・プライスの "Lawdy miss Clawdy" なんか、彼の不器用さが逆に味となってる感じで個人的に凄く好きです。それから、"Hootchy-koo" は、ダンサブルな典型的ニューオーリンズ・リズム&ブルーズで、ニューオーリンズ出身者としての面目躍如と言った所か、気持ち良かぁ。

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LARRY WILLIAMS / Unreleased
USA, Specialty LP (SP-2158) © 1986
3333333333
Side One
1. Rockin' Pneumonia*
2. She Said Yeah (1)
3. High School Dance (2)
4. Iko Iko
5. Jelly Belly Nellie
6. Just Because (2)
7. I Can't Stop Loving You (1)
Side Two
1. Slow Down -take 4- (2)
2. Zing Zing
3. Took a Trip
4. You Bug Me Baby (3)
5. Marie Marie
6. Bad Boy (2)
7. Oh Baby

> Info.

All previously unissued cuts except "She said yeah", issued as a flipside of "Bad boy" 7 inch single, Specialty (658), 1959.

[45]
(1) Specialty (658), 1959

(2) alternate version
(3) fast version

* performed with Art Neville

> Profile

> Ref.

> Review

上で紹介したファーストアルバム未収録のシングルやテイク違い、そしてこの編集盤でやっとお披露目された未発表音源のみが編集されたレア音源集で、先のファーストとこの編集盤聴いて初めて彼の魅力が見えてくると思います。裏を返せば、より彼の魅力を知りたければ最低この2枚は必聴、、かも。今ならCDでスペシャルティ・レーベルのコンプリート音源集とか出てると思うんですけど。

上のデビュー盤ではあまりニューオーリンズ色が感じられないけど、こちらにはアラン・トゥーサンと吹き込んだニューオーリンズR&Bの代名詞的 "Rockin' pneumonia" や "Iko iko" など、カリブの海が目に浮かぶような心地よく跳ねる独特のビートが楽しめます。また、ロックンロール・ルーツの "She said yeah", "Slow down"、そして公式シングルテイクより断然ラフで暴力的なアウトテイクの "Bad boy" が聴けるのが何より嬉しいところ。

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